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1小円筋の機能解剖と臨床的特徴

小円筋は腱板の後下面を形成しており、支点形成力により肩甲上腕関節の安定化に寄与している。小円筋は、棘下筋とともに外旋運動に作用するが、特に第3肢位で小円筋の働きが高まる。また、小円筋は後方関節包と結合しており、肩関節の外旋運動時には後方関節包の挟み込みを防ぐ重要な機能を担う。


小円筋の各肢位における上腕骨に対する作用は下記の通りである。
第1肢位では、全体として筋長が短くなるため、外旋作用は弱い(上図a)。
第2肢位では、適度に筋長が伸ばされるため、外旋作用が強くなる(上図b)。
第3肢位では、さらに伸張される肢位となり、外旋運動に有効に作用する(上図c)。

2小円筋の圧痛好発部位とその評価


小円筋の圧痛は、上部筋束、下部筋束ともに全走行にわたって認めることが多い。特に、大結節の付着部付近では顕著である。また、QuadrilateralSpaceに圧痛を認めるケースでは小円筋の圧痛が強い傾向にある。

3小円筋の伸張テスト


評価姿勢は座位とする。

小円筋の伸張テストは、肩関節屈曲90°とした肢位を開始肢位とし、肩甲骨の固定は肩関節を内外旋中間位で行う。そこから肩関節を内旋させる。内旋30°まで達しない場合、小円筋の伸張性の低下を疑う。