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腰椎椎間関節性症例が示す疼痛部位の特徴


椎間関節性疼痛の特徴は、痛いと感じる部分はどこですかと尋ねると指で指し示すこと(One Point Indication)が多く、片側性(正中を越えない)で連続した痛みを伴い、その痛みは膝下を越えません。一方、椎間板性疼痛は、手のひらで表現すること(Palmer Indication)が多いのが特徴です。

さらに仙腸関節性疼痛の場合は殿部痛があり、痛みが分離する傾向も見られます。仙腸関節は支配神経が多いので、反応する神経、反応しない神経があるため痛みが散在しやすくなります。座骨神経痛の場合は、ルート状の痛みとなるため、膝を越える場合が多いのが特徴です。

責任疼痛部位の見極め方


若年者において腰椎伸展時痛が陽性である場合、考えられる疾患には腰椎分離・すべり症、椎間関節症などがあり、前者は画像所見から責任椎体レベルを確認できますが、後者はさらに徒手検査を用いる必要があります。

疼痛の責任椎体レベルの見方は、まず立位でセラピストが患者の骨盤を両サイドから押さえ、仙腸関節を固定します。この肢位から腰椎を伸展させ、疼痛が軽減・消失する場合は仙腸関節に病態があると推測します。次に、L5/S1棘突起間を固定し、この肢位から腰椎を伸展させ、疼痛が軽減・消失する場合はL5/S1椎間関節に病態があると推測します。この操作を順次レベルを変えていき上位椎体レベルまで実施します。

臨床上、下位腰椎レベルに病態が存在することが多く、下位から順に行うと円滑に進めやすくなります。この操作により疼痛の責任レベルが明確になりますが、ケースによっては責任椎体レベルが2つ以上存在することもあります。