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1寛骨臼角(α角)


骨端線の骨癒合が未成熟な小児期において、寛骨臼嘴(寛骨臼の上外側縁)とY軟骨外上角とを結ぶ直線と両側のY軟骨を結ぶY軟骨線(Hilgenreiner線)のなす角をいう。女児で35°、男児で30°以下を正常としており、それ以上では臼蓋形成不全とされる。

2Sharp角


寛骨臼外側縁と涙滴下端とを結ぶ線と、骨盤水平線(両側涙滴下端を結ぶ線)とのなす角をいう。寛骨臼角と同様に臼蓋の傾きを表し、大腿骨頭が臼蓋に十分に被覆されているかどうかの指標となる。正常は33~38°であり、40°以上では臼蓋形成不全とされる。

3Sharp角


大腿骨頭中心と寛骨臼外側縁を結ぶ線と両側大腿骨頭中心を結ぶ線の垂線とのなす角で、臼蓋と大腿骨頭との相対的な位置関係を表す。成人では25°以上が正常で、20°以下では臼蓋形成不全と評価される。

4AHI(acetabular head index)


大腿骨頭内側端から寛骨臼縁外側端までの距離(A)と大腿骨頭横径(B)を用いて、A/B×100%で表したものをいう。骨頭が臼蓋にどれだけ被覆されているかを示すもので、正常値は80%以上で、75%以下では臼蓋形成不全と評価される。

5ARO(acetabular roof obliquity)


寛骨臼荷重部硬化帯(sourcil)の内側縁と寛骨臼外側縁を結ぶ線と骨盤水平線とのなす角で、臼蓋荷重面の傾斜角を表す。寛骨臼荷重部硬化帯の幅が減少するとAROも減少する。正常では正の値となる。

6ADR(acetabular depth ratio)


寛骨臼外側縁から涙滴下端までの距離(AW)と、この線と垂線で尚且つ寛骨臼までの最も大きい距離(AD)を用いて、AW/AD×1000で表したものをいう。臼蓋の深さ指数を示すもので、正常値は280~300である。

7Shenton線


正常の股関節正面像においては、大腿骨の内側を近位にたどるラインが大腿骨頚部で内側にカーブを描き、尚且つその延長が閉鎖孔の上縁にスムースにつながり、一つの上方凸の曲線が完成する。しかし、変形性股関節症、股関節脱臼、大腿骨頚部骨折などではそのラインが連続せず、形態や位置異常の存在を示す。

8大腿骨頭脱臼度(Crowe分類)


亜脱臼性股関節症における股関節の脱臼度の指標である。大腿骨頭の直径を基準として、その何%程度高位に脱臼しているかを評価し4群に分類したものである。

通常大腿骨頭の直径は、骨盤高(単純X線正面像における両腸骨上縁を結ぶ線と両坐骨下縁を結ぶ線との距離)の1/5程度である事から、大腿骨頭に変形のある場合においても分類が容易であるという利点がある。

最も軽症のGroup Iでは50%未満の脱臼(大腿骨頭径の1/2未満の上方移動)、最も重症のGroup IVでは100%以上の脱臼(大腿骨頭1つ分以上の上方移動)を示す。