あなたは今、自信を持って歩行分析ができていますか?また、自信を持って患者さんや後輩・学生に指導できていますか?

異常歩行は多くのパターンが存在しています。しかし、異常歩行の何が問題なのでしょうか。また、私たちセラピストは異常歩行を見て何を治療の目的とするのが正解なのでしょうか?何も考えず歩行を見るだけでは、何の情報を得ることもできません。しかし、異常歩行をあらかじめ知っておくとどうでしょうか?「このパターンの時は、これが原因だな」と判断することが出来ます。こうしたパターンをたくさん知っておくことで、どこの筋力が弱いのか?どこの関節が硬いのか、などといった情報が歩行を見るだけで分かるようになっていきます。そして、このことが分かると、どうすると良くなるのかということも分かるようになると思います。

そこで今回は、皆さんが動作分析を自信を持って行えるよう、書籍『臨床に役立つ歩行運動学』で記されている71パターンの中から2つを紹介し、さらに動作分析の理解を深めるための「とっておきの方法」を紹介していきます。

体幹に見られる異常パターン

初期接地、荷重応答期に体幹に見られる異常は、①過剰な前屈、②過剰な後屈、③同足への過剰な側屈、④対側への過剰な側屈の4つが挙げられます。いずれの場合においても、体幹の変形や機能低下が関与する直接的な原因と、他の体節の代償による間接的な原因が存在します。それぞれの要因を把握することで、主要な問題点を見つけるヒントになると思います。

今回は、①過剰な前屈、②過剰な後屈の2つの直接的原因と間接的原因について、説明していきます。

①過剰な前屈 ‖ 図1

直接的原因

体幹が直接的な原因となる場合は、円背等の体幹変形や体幹不安定性が考えられます。いずれの場合においても体幹の可動性や筋力低下、疼痛などの評価を行なっていく必要があります。例えば、圧迫骨折が既往にあった場合、体幹の後屈可動性に加え、直立位での立位保持が可能かを評価しておくと良いです。具体的に言うと、「体幹伸展の可動性は維持し、支持物の把持があれば直立位での立位保持可能」といった表記をしておきます。

  1. 円背等の体幹変形
  2. 体幹不安定性←脊柱起立筋の筋力低下⇨あるいは疼痛による脱力

間接的原因

間接的な原因として考えられるのは、足関節背屈可動域低下や膝関節不安定性、股関節伸展可動域低下などが挙げられます。例えば、立脚初期で前足部接地が起こることで、膝関節が反張膝となり、骨盤の後退に伴う体幹の過剰な前屈が起こるといった現象が認められたとします。この場合、まずは足部の機能評価を行い、踵接地を困難にしている主要な問題が足部にあるかを確認する必要があります。具体的に言うと「足関節背屈可動域制限、背屈筋の筋力低下、ランジ動作にて疼痛出現」といった表記をしておきます。

  1. 過剰な前屈←骨盤の後退←反張膝←前足部接地
  2. 過剰な前屈←骨盤の後退←反張膝←踵接地困難、足部の回外
  3. 過剰な前屈←骨盤の後退←反張膝
  4. 過剰な前屈←骨盤の前傾

※この記事の続きは有料会員限定です。入会お申込みで続きをお読みいただけます。

コンテンツはロックされています

ログインしてロックを解除してください