先月発売されたばかりの書籍、「スポーツ外傷・障害に対する術後のリハビリテーション 改訂第3版」では“腱板断裂の症例における最大の目標は、骨頭求心位の乱れによる肩関節運動の機能破綻の改善である”と記載されています。

スポーツ外傷・障害に対する術後のリハビリテーション 改訂第3版

この機能破綻には当然、肩甲上腕関節の拘縮や肩甲帯機能の低下も大きく影響します。そのため、腱板断裂に対する術後のリハビリテーションでは、手術療法によって縫合した腱板の機能を再獲得すると同時に、骨頭求心位を保持できる肩関節機能の再獲得を図ることが重要です。

この考えを念頭に置いてリハビリテーションを行えれば、個々の症例の目標や治療の考え方が自ずと決まってくると思いませんか?

以上を踏まえ、今回は腱板断裂に対する術後のリハビリテーションの考え方と実際について紹介して参ります。

腱板の機能

腱板筋の機能的な役割には、手動作筋としての役割と肩甲上腕関節の安定化機構としての役割があります。特に、腱板は骨頭求心位を保持するための肩甲上腕関節の静的および動的な安定化機構を担います。動的な安定化機構はADL獲得のためにも重要な要素であり、動的な安定化機構には関節包などの静的な安定化機構の役割に加えて、腱板筋の作用が重要となります。 これには円滑な肩関節運動を行うために各腱板筋が協調して働く「depressor機能」や「force couple」などの機能的役割があります(図1)。

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編集
運動と医学の出版社 編集員

参考文献
『スポーツ外傷・障害に対する術後のリハビリテーション 改訂第3版』園部 俊晴 (著), 今屋 健 (著), 勝木 秀治 (著), 内山 英司 (監修), 岩噌 弘志 (監修):運動と医学の出版社.2022