ヒトは一生の間に「地球4周」もの距離を歩きます。
歩く度に「足」は衝撃を吸収したり、バランスをとったり、推進力を発揮したりと多様な機能を発揮するため、「身体の土台にして軸」と表現されることがあります。

「土台」としての安定性と、多様な動作の「軸」としての機能を発揮するために、足には実に様々な組織が密集しています。このため、「足のアプローチが苦手」と感じているセラピストが多く存在しています。
もちろん私もその一人ですが、密集している足の組織をグループに分けて特徴を理解し、その構造を立体的にイメージすることができたら、苦手意識はどうなると思いますか?

おそらく「さっそく、臨床で試してみたい!」となるはずです。
今回は、そんな期待に応える書籍「足関節拘縮の評価と運動療法」を深堀りしていきます。

本書籍は、足関節の組織を皮膚・筋・靭帯・腱・脂肪に分け、それぞれの構造と特徴がわかりやすく明確に記載されているため、的確に徒手操作するためのイメージが出来るようになります。このため、的確な評価と運動療法を展開することも可能になります。例えば、下図の足関節背屈筋群を御覧ください。

この図はよくみる筋肉のイラストで、そこにA~Eの区分けがされています。そして、右図にA~Eのエコー画像が記載され、下腿近位から遠位にかけての筋肉の立体的な構造をイメージすることができるようになっています。

臨床で背屈筋群のアプローチをすることは多いですが、あなたはその構造をエコー画像のように立体的にイメージ出来ていましたか。

私はこの図を見た時、ここまで深くイメージ出来ていなかったことに気付かされました。そして、色分けされたエコー画像が記載されているので、自分の足を使いながら書籍を読み進めることができました。すると、少しずつですが「足を立体的にイメージ」できるようになったのです。

すると今までは「足関節前面の痛み」に対して、「伸筋支帯部分」の徒手操作を行い、痛みの変化をみるというアプローチをしていたのが…

「伸筋支帯部分の前脛骨筋と長母趾伸筋部にあたる脂肪組織を浮きあげる」ように徒手操作を行い、痛みの変化をみるというアプローチになりました。つまり今までのアプローチに対して、さらに狙いを絞ってアプローチできるようになりました。本書籍には、それぞれの組織の構造と特徴が明確に記載されているため、的確に徒手操作するためのイメージが出来るためのヒントが詰まっています。

伸筋支帯部分の徒手操作

さて、伸筋支帯部分の徒手操作について触れたので、ここでさらにその方法をご紹介します。

伸筋支帯とは下腿の前区画を構成する深筋膜が、下腿遠位端から足関節前方で肥厚した部分を言い、上伸筋支帯と下伸筋支帯とに分けられます。



上伸筋支帯は、脛骨と腓骨の前縁を繋ぎ、下伸筋支帯は脛腓骨から踵骨上外側部や足根洞内を繋ぎます。伸張性に乏しい組織で、その形状は下腿遠位端から足関節にかけて変化していきます。

この伸筋支帯内に、足関節の背屈運動に関わる前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、第3腓骨筋が通過します。これは、足関節背屈筋群の長い腱を押さえることで、力の作用方向を変換すると同時に、背屈筋群が及ぼす支帯の緊張が足関節の安定化に関与しているのです。

そして臨床上、伸筋支帯周辺に存在する痛みや可動域制限に繋がる病態としては、主に周辺組織との滑走障害が挙げられます。例えば、伸筋支帯と前脛骨筋周辺の滑走障害をあなたが疑ったとします。この時、運動療法はどのようなこと行えば良いかと言うと、①徒手操作、②背屈筋群の運動、③関節運動による伸張操作などの方法が挙げられます。詳細は割愛しますが、①徒手操作について説明した下の写真をご覧ください。

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