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こう述べるのは、書籍『腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック(運動と医学の出版社)』の著者である、赤羽根良和先生です。

今回は「腰部脊柱管狭窄症」を深掘りし、私たちセラピストが対応できる腰部脊柱管狭窄症の保存療法について解説いたします。

是非、明日から「私がやります!」と自信をもって治療をしてください。

腰部脊柱管狭窄症の発生要因は?

脊柱管狭窄症は名前の通り、腰部脊柱管の狭窄状態が原因となって発症する病態で、その要因は上の図のように様々です。変形性膝関節症と同様、加齢による骨棘形成や関節包の肥厚、靭帯の骨化などの退行性変化による影響で、脊柱管が狭くなることを覚えておいてください。

さて、この腰部脊柱管狭窄症には「腰部」という言葉があるからか、腰痛と下肢症状をセットで考えてしまいがちです。でも、腰部脊柱管狭窄症の症状はあくまでも「下肢症状」であって、腰痛がある場合は別の病態を考える必要があります。

腰部脊柱管狭窄症の保存療法について更に深堀り!

下肢症状の真の原因は〇〇

下肢症状がなぜ出現するのか。それは、「腰部脊柱管が狭くなることで、中の馬尾神経が絞扼されるからだ」と思いますよね。実は問題は、馬尾神経を包んでいる硬膜の圧が高まった結果、「静脈の血流が悪くなる」ことが問題なのです。

静脈の血流は動脈と違って、「わずかな圧」でも悪くなる特徴があります。そして静脈の血流が悪くなると、それに付随して動脈の血流も悪くなり、その結果「阻血状態」が生じるようになって、下肢症状の痺れが増悪するのです。

このため、間欠的に休まないと歩けなくなる間欠性跛行が発生するのです(下図参照)。つまり、腰部脊柱管狭窄症は下肢症状が主体であって、腰痛は別の病態を考える必要があるのです。そして、私たちが行う保存療法の狙いは、「硬膜の圧が増える要因を減らすことで、阻血状態を改善させる」ことと言えます。

ここまで理解できたら、次に姿勢変化に伴う硬膜圧の変化をみてみましょう。下の図は前屈・後屈による狭窄部硬膜圧の変化を示しています。腰部脊柱管狭窄症に起因した馬尾障害を認める場合は、後屈時に硬膜圧が高くなり症状が発生することが理解できます。そして前屈すると硬膜圧が下がるので、座って休むと症状が軽減する理由も納得できます。

これらの事を踏まえ、治療戦略を述べると「腰椎が伸展することで脊柱管が狭くなり、硬膜圧が上昇するのを避けて運動療法を展開していく。つまり、腰椎が屈曲できる柔軟性を獲得し、硬膜圧を下げることを基盤に治療していく」と言えます。

保存療法の適応と方針を見極める

ここで赤羽根良和先生の保存療法の考え方をもう一度ご紹介します。

「通常歩行では馬尾障害が発生するが、前屈歩行や自転車が楽という場合には、手術をしなくても保存療法でコントロールが可能です。これは症状が全くなくなるわけではないですが、保存療法によって症状が少ない状態をコントロールすることがある程度可能です。しかし、前屈歩行によって筋・筋膜性腰痛を中心とした症状が認められ、移動能力に支障をきたすようになった場合は、保存療法で症状をコントロールすることは難しく、保存療法の限界だと考えられます。」
赤羽根 良和先生
さとう整形外科

どうですか?

脊柱管狭窄症の病態が明確になったからこそ、やるべきこともしっかり見えてきませんか?

このことを踏まえ、下の図のように腰椎伸展が優位になる要因を見つけることが出来れば、その要因を取り除く運動療法を展開してみてください。ただし、1点だけ覚えておいてください。運動療法により良好な結果が得られるタイプは、下の図のように拘縮や硬さがあるタイプと言えます。反対に、もともと身体が比較的柔らかく、拘縮のない症例では、運動療法に反応しにくいことが言えます。詳しくは、『腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック』を是非ご覧ください。とても勉強になると思います。

運動療法の効果判定方法

最後に、腰椎伸展が優位になる要因を取り除く運動療法を展開した後の、効果判定方法についてご紹介します。すでに皆さんご存じかもしれませんが、PLFテストです。

このテストはとても重要なテストですので、実技映像を用意しました。

今回紹介した内容に加え、さらに書籍『腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック』を読むことで、脊柱管狭窄症の保存療法の考え方が画期的に変わると思います。

今回も書籍の一部を期間限定で電子書籍として読めるようにしてますので、是非学びを深めてみてください。

是非、明日から腰椎伸展が優位になる要因を取り除く運動療法を展開しながら、PLFテストで効果判定をしてみてださい。時間の経過とともに症状が改善してきたら、これほど嬉しいことはありません。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

参考図書

腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック

著者:赤羽根 良和

© UGOITA ALL RIGHTS RESERVED.produced by 運動と医学の出版社

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